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自治医科大学入試の傾向と対策

地域医療教育を掲げる、自治医科大学について入試の傾向と対策をリサーチしました。

自治医科大学入試の傾向と対策

「医療の谷間に灯をともす」ことを使命とし、充実した地域医療を目的として設立された自治医科大学。全寮制で質の高い教育が行われ、医師国家試験の合格率も非常に高くなっているのが特徴です。

それでは、自治医科大学の入試傾向と対策を見ていきましょう。

2017年入試の概要

定員 123名
倍率(一般入試) 16.5倍
科目・配点・試験時間 数学(25点/80分)、理科2科目(50点/80分)、英語(25点/60分)

修学資金で入学金・授業料が免除になるという自治医科大学は、倍率が非常に高くなっています。ただ、実際には都道府県単位で選抜が行われ、若干名ずつ合格となります。都道府県別の志願者一覧を見ると、大学の所在地である栃木県からの志願者が最も多くなっており、次いで首都圏からの志願者が多いようです。

試験は4科目で100点という配点。1次試験で学科と面接、2次試験で小論文と面接試験が行われます。面接試験は2度行われることになるので要注意です。大学の性格上、へき地医療に対する思いは伝えられるようにしておくのがよいでしょう。

自治医科大学の偏差値

偏差値 67.5

※河合塾Kei-Netによる

偏差値は67.5と難関大学に引けをとらない数字になっています。しかしながら、前述の通り実際の選抜は都道府県単位で行われるため、一概にこの偏差値であると言い切るのは難しいところです。優秀な生徒が集まっている東京や各地方都市を含む県などは、かなりの激戦区となるため偏差値は上がります。一方で競争率の低い県では比較的合格しやすい傾向があります。

試験は全てマーク式。センター試験よりは難易度が高く、より深い知識の定着が求められることが多いと言えるでしょう。時間も、問題のボリュームと比べると短くなっているため解答スピードを上げることが求められます。激戦区となる地域では、センター9割超え・国公立も行ける学力の生徒が挑むためボーダーラインも上がっていると考えられます。

入試の出題傾向と対策

英語

2017年度入試問題の構成

大問1 長文読解(空所補充・正誤問題など)
大問2 長文読解(空所補充・正誤問題など)
大問3 長文読解(空所補充・正誤問題など)

自治医科大の英語は、800語程度までの長文が3題という形になっています。60分という時間の中ではボリュームが多く、速く読み進めていく力が求められるでしょう。当然ながら、長文の内容を問う問題もあるため意味をきちんと把握しながら読まなければいけません。

語彙や文法などを単独で問われる問題は少ないですが、長文を読み進める・内容を把握する上ではどちらも基本として欠かすことはできません。ベースとなる語彙・文法を定着させた上で、長文問題を中心に演習に取り組みましょう。長文の主題を問う選択問題が各大問の最後に出てくるので、要約問題などにも触れておくのが吉です。

数学

2017年度入試問題の構成

大問1 小問集合(一問一答)

大問で出題されるのではなく、一問一答式の問題が25問出題されます。試験時間は80分なので、1問あたり3分強で解答する必要があり、スピードが重視されます。一問一答形式で、単元も幅広い出題が特徴。問題を見渡して、解ける問題を見極めてから取り組みましょう。

難易度としては、私立医学部と考えると標準的な内容ですが中には難易度の高いものも。即時に解法が思いつく問題から着手し、難しい問題をあとからじっくり取り組むといった工夫が必要になります。日ごろから時間配分を意識した演習で、本番環境でも問題なく解き進めることができるようにしておきましょう。

化学

2017年度入試問題の構成

大問1 小問集合(一問一答)

化学も数学同様、一問一答形式。計算というよりは知識を問う問題が多いですが、時間配分は1科目あたり40分というところでかなり厳しめの設定になっています。考えさせる、というよりは記憶の引き出しをいかに早く開けられるかが重要です。

分野は幅広く、2014年以降は化学基礎・理論・無機・有機・高分子からそれぞれ5題ずつ出題されています。履修の遅い高分子も出題があるため、現役生で進度が遅い人は早めに対策しておくのがよいでしょう。得意な単元を作るよりは、全ての単元を網羅するのが自治医科大化学突破のカギとなります。

生物

2017年度入試問題の構成

大問1 小問集合(一問一答)

一問一答形式が25問出題される、自治医科大の生物。ここもやはり時間の制約がかなり大きくなってきます。知識を問う正誤問題のほか、計算・考察・グラフの問題が数問ずつ見られます。リード文が長いものもあり、単純に1問1.6分で解ける問題ばかりではありません。知識を問う問題に関しては、瞬時に解答を導き出せるようにしましょう。

問題の範囲は幅広く、医学部には珍しい植物の範囲からの出題も時折見られます。幅広い分野への対策と、時間を意識した演習を行いましょう。あとは過去問をチェックし、頻出の遺伝や生殖といった範囲を押さえておくといった対策が挙げられます。

物理

2017年度入試問題の構成

大問1 小問集合(一問一答)

物理も25問の一問一答式です。典型的な問題であれば、計算せずとも解答が導き出せるぐらい演習で慣れておかないとかなり難しい戦いになることが予想されます。単位など知識を問う問題は、瞬時に解答できるようにしておきましょう。違う年でも似たテーマが出題されることもあり、過去問での対策も必須です。頻出形式は叩きこんでおかなければいけないと思っておいてよいでしょう。

単元としては力学・電磁気・波動が重きを占めますが、熱力学も少々出題が見られます。力学でもバネの問題は多いですが、さまざまなテーマで出題されますので要注意。そのほか新課程になってから原子の出題も見られたほか、まれに複合問題も出題されています。頻出単元があるとはいえ、教科書レベルは網羅しておきましょう。

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